こんな日常も シンver.
アスランのバカ!!
俺が悪かった。
もう知らない!!
本当にすまない。
皆が憩いの場を求めて集まるブリーフィングルームで突如として聞こえてきた喧騒にシン・アスカは小首を傾げた。
何故ならその声の主は自分の上司に当たるアスラン・ザラとキラ・ヤマト。
此処、ミネルヴァに於いて彼らの仲の良さは数日という短い期間乗艦しただけの議長に至まで周知の公認となっていて、アスランさんのお小言と言う名のお説教は度々目にするのだが——何て言っても当事者である場合も少なくはないのだ——未だ嘗てキラさんがこれ程まで激昂を露にしての口論は見たことがない。
そんなコトをつらつらと考えながら部屋の中には入らず、半開きにした扉に張り付いて2人を見ていれば、自分の回りに多くはないが少なくもない程度の人だかりが出来ていた。
おい、押すなよ!!
イテテテ。
押すなって!!
後ろが押してくるんだもん。
しょうがないでしょ!?
ぼそぼそと中に聞こえないように注意をしながら不平不満を罵り合う。
俺達のそんな努力も虚しく扉の外の存在に気付いたキラが怒りの形相で近付いてきた。
ガァン———————。
にっこりと音がしそうな程綺麗に笑みを作ったキラさんが扉、それも俺の顔ぎりぎりの所を渾身の力で以て蹴り付けて来た。
その瞬間、俺の後ろにいた数人が音と衝撃で尻餅を着いた。
キラさん、眼が笑ってないンデスケド・・・ι
たらたらと冷や汗が顔や背に伝う俺を見て今までで1番低い声色で一言。
此処から消えろ。
笑顔でそう宣うキラさんを直視してしまった俺達は、蜘蛛の子を散らすように物の数秒でその場を退散した。
どうか、キラさんの機嫌が早く治まりますように。
その俺達の願いが聞き届いたのか定かではないが、次に彼らと顔を合わせることになる2時間後には、いつも通り仲睦ましい2人に出会えたのだった。
