wonderland
「…快斗、何してるんだ?」
「あ、新一。一緒に遊ぶ?」
居間でゆったりと読書をしていた新一は、いつもなら傍にいるはずの快斗がいないことに気付き辺りを見渡すと、庭の方から声が聞こえてきた。
本も読み終わったこともあり庭へと行くと、楽しそうにシャボン玉を作る高校生と、その高校生を微笑ましく見守る小学生の姿がある。
言わずとも知れた、快斗と哀の2人だ。
普通は逆だろ、と思いながら新一も庭へと下りた。
「シャボン玉…?」
「そう。
今度の新しいマジックに使おうと思って、哀ちゃんに頼んで割れにくいシャボン液、作ってもらったんだ。」
見てて、見てて。といい、快斗は楽しそうに大小様々なシャボン玉を作っていく。
素早い手つきで作っているにも関わらず、そのシャボン玉は割れることなくふわふわと快斗の前で浮いている。
空高く上っていくシャボン玉もあれば、途中ではじけるシャボン玉もある。
やはり強度が上がっても少しのショックで割れるようで、指先で軽くつつくだけで容易くシャボン玉は割れた。
それがわかっているのか、快斗は同じ大きさに作ったシャボン玉をトランプで1つずつ割っていった。
そしてそのトランプを左手から1枚ずつ流れるような速さで落とすように右手へ収めると、左手から右手へ移動中のトランプ1枚1枚の間から、小振りではあるがシャボン玉が出てきた。
その様子に新一と哀が感嘆の声を上げる。
2人の反応に快斗はとても嬉しそうに微笑み、そのすぐ後、いたずらを思いついた子供の表情をした。
今トランプの間から出てきたシャボン玉を新しく作った大きなシャボン玉の中にいれ、そのシャボン玉が飛んでいくのを阻止するため、割れないよう細心の注意を払いつつ、透明の箱に収めた。
そしてすぐに、もう1つ、小さなシャボン玉を作り、それを両手で覆い手の中に納め一呼吸おいた後に手を開くと、掌には1枚のハンカチがのっていた。
その早業に新一も哀も関心を示した。
快斗はそのハンカチを広げ、表、裏と2人にタネも仕掛けもないことを見せると、先ほどの大きなシャボン玉を納めた透明の箱を2人の視界から隠すようにハンカチを被せ、右手の人差し指を口へと持ってきてカウントを始めた。
「one...two...three!!」
快斗の掛け声とともにハンカチを取り去ると、箱は何時の間にかなくなっていた。
そして、その衝撃で大きなシャボン玉が割れ、中のシャボン玉が飛び出していく。
そのシャボン玉は、全てが先ほどの透明ではなく、様々な色をしていて。
光の加減で違う色に変わるシャボン玉は、空に広がる青空に一層映え、視界を楽しませるようにとても綺麗だった。
空高く上り行くシャボン玉を見つめ、3人はとても楽しそうに笑いあった。
そして、快斗のシャボン玉を使ったマジックショーは、まだまだ続いていった…
□-◇あとがき◇-□
過去の遺物第三弾(苦笑)
会話がまったくと言っていいほど無いね。
テニプリ小説と同じく(苦笑)
さーて、次はラスト。
多分、もうちょっとしっかりとした小説になってる...ハズ。