あなたのそばに...


「こんにちは。」
「あら。エドワード君、アルフォンス君、こんにちは。」
「大佐いる?」

馴染みのある東方司令部を入ってすぐにホークアイに出会った2人は、自分の用件を伝えるべく東方司令部司令官であるロイ・マスタング大佐を探した。
サボリ癖のあるロイは、いつもならホークアイ中尉の計らいのおかげで、真面目とは言えないがそれなりに机に向かって仕事をしているのだが、今日はホークアイがいるにも関わらずロイは仕事机にはいなかった。

「またサボリですか?」
「いえ、昨日夜勤だったので仮眠室で寝ています。
 2人は大佐に何の用で?」
「あ、あぁ。図書館の使用許可をもらいに来たんだが…」
「それなら私が許可を出しましょう。
 ちょっと待っててね。」

そう言ってホークアイはロイの仕事机へ行き、一番上の引き出しの中からハンコと朱肉を取り出して
利用許可証にハンコを押してアルフォンスに手渡した。

「はい。
 図書館の場所と仮眠室の場所、知ってるわよね?」
「あぁ、わかるけど…」
「じゃぁ、がんばって。」

何に対しての『がんばって』なのか分からないままエドワードとアルフォンスは、追い出されるようにして部屋を後にした。

「兄さん。」
「ん?何だ、アル?」
「行ってきなよ。」
「はぁ!?」

エドワードとしてはわけのわからないことを言われ、アルフォンスに背中を押されたまま、仮眠室までの廊下をずるずるを引きずられていった。
どうにかしてアルフォンスから逃れようと身を捩るのだが、如何せん、体格差があるため、エドワードは抗うことができなかった。
少ししてから抗うことを諦めたのかエドワードが大人しくなった。
アルフォンスは知っているのだ。
本気で抗えばエドワードは容易く逃れることができることを。
だが、本気で抗わないということは、本当はロイに逢いたいと思っているということだ。
そんな素直じゃないエドワードを見て、アルフォンスは気付かないように微笑んだ。
そうこうしているうちに、仮眠室まで辿り着いた。

「ほら、兄さん。」
「わぁってるよ!!」

なかなか中に入ろうとしないエドワードを急かすようにアルフォンスは声をかけた。
何度かドアノブを掴んで、悩んで、手を放す、という行動を繰り返していたエドワードは、アルフォンスの言葉を聞いて意を決したのか、仮眠室へと入っていった。

「まったく。世話の妬ける兄さんだなぁ。」

エドワードが部屋へ入ったのを見届けてから図書館へと向かった。



仮眠室に入ったエドワードは、すぐにロイの寝ているベッドを見つけ、近づいていった。
ベッドの横に立ってロイの寝顔を覗き込んだエドワードは、覗き込んだ視線のまま、ロイの寝顔に見とれて静止した。
窓から射し込んでくる太陽の光がちょうどロイを照らしていて、とても気持ちよさそうに眠っている。

「よぅ、大将。久しぶりだなぁ。」
「!!ハボック少尉!!」
「お?大佐目当てか?」
「〜〜〜あ、あんたには関係ないだろぉ!!」
「ま、がんばれよ。」

顔を赤らめて怒鳴るエドワードはいつも見る光景なのでさして気にならないのだが、流石に夜勤明けで寝ているロイを気遣ったのか、
それともただ単に2人の邪魔をして馬に蹴られたくないだけなのかは定かではないが、ハボックはそれ以上突っかからずに一言残して部屋を出て行った。

「大きなお世話だ!!」
「ん…鋼の…?」

エドワードの発した声で目が覚めたのか、ロイは上半身をゆっくり起こしてエドワードの方を見た。
まだ半分夢の中なのかロイは焦点の定まらない目を擦っている。

「大佐…ホントに寝起き悪いね、あんた。」

呆れながらもエドワードはロイの顔に手を伸ばした。
するとロイはエドワードにの伸ばされた手を掴み、思いっきり自分の方へ引き寄せた。

「うわっ!!」

手前に倒れるため、反射的にエドワードは目を固く瞑った。
その直後にエドワードは柔らかいものが唇に触れるのを自覚し、目を見開いた。
目の前にあるロイの顔に目を奪われ、静かに目を閉じ久しぶりのキスを受け入れた。
数秒なのか、数分なのか。
時間の感覚が分からなくなるほど2人はキスに没頭した。
2人がやっと互いの唇を離したのは、エドワードが息苦しくなってロイの服にしがみついてからだった。

「大佐、起き…いや、まだ寝ぼけてるだろぉ!!」

息を整えてからエドワードはロイを怒鳴りつけた。
最初はもうすっかりと起きていると思って、怒鳴りつけようと思っていたのだが、エドワードを抱き込んでベッドへ潜り込んだロイの行動が、普段では見せないものだったので静かに見ていたら、熟睡する体勢に入ってしまった。
流石のこれには驚いたのか声を張り上げてエドワードは抗議の声を洩らした。

「鋼の…私は眠い。だから一緒に寝るんだ…」
「どーゆう理屈だ!!!」

またも声を張り上げるが、ロイからの返事はなかった。
そーっとロイの顔を覗き込んでみると、すやすやと寝息を立てて眠っていた。
エドはため息を一つ洩らすと呆れたようにロイの頬を軽くひっぱったりしてみたが、熟睡しきっているのか、一向に起きる気配はなかった。

「    」

起きないことを確認してからエドワードはロイの唇に自分の唇を重ねて一言呟いた。
エドワードの顔は今まで以上に赤くなっていたが、嬉しそうな表情をして布団の中に潜り込んだ。
ロイの胸に顔をうずめてエドワードも寝る体勢に入った。

「おやすみ、ロイ…」

それあら数分して、ロイが上半身を起こした。
実はエドワードが仮眠室に入ってきてから頭はおきていたのだ。
だが、睡眠を必要とする体が言うことをきかなかったため、結果、寝ぼけているような行動になってしまったのだ。

「    」

ロイはエドがしたように唇を重ねて一言呟いてから、エドワードを抱き直して仮眠に入った。




タダイマ…

オカエリ…

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