死神5題 No.3
白馬を伸した後、新一と快斗は彼のことなど初めから無かったと言わんばかりに綺麗さっぱり忘却の彼方へと追いやり、楽しく帰路に着いた。 No.3 黒いコートに黒いフードを被り
無邪気に嬉しさを隠さずに笑顔全開の学ランを着た快斗。
シニカルな笑みを浮かべ、はしゃぐ快斗の隣を歩くブレザーを着た新一。
彼らを知らない人が二人を見れば、仲の良い双子の兄弟のように見えるだろう。
実際には、血縁関係なんて全く無く、二人のもう一つの顔は決して馴れ合うなんてことがない両極端位置に身を置く存在だ。
しかし、彼らは一番遠い存在でありながら、一番近い存在であると、互いを認識している。
だからこそ、新一には新一の、快斗には快斗の領域があり、相手のフィールドに干渉することを良しとしていなかった。
それが、周囲の人間の目には奇異なことと、映ってしまったのだ。
「やっぱり白馬は快斗のことが好きだったンだな。」
「やっぱり。って、何ソレ?」
「KIDを追うアイツを見ればわかる。
あの瞳はKIDという人間を渇望している瞳だ。
俺が快斗を欲しがるような、そんな色を持ってた。」
「へぇ。気付かなかったな。」
「快斗はシらなくていいよ。」
ニヤリと口端を上げて笑う快斗は全て承知の上での発言だ。
それを知るからこそ、新一も同じ笑みを顔に貼り付けて笑う。
互いに互いしか見えていない。
新一も快斗も、それを充分に知っている。
快斗から零れた言葉は、二人にとって当たり前で、それでいて、いっそ清々しい程に残酷な響きを持っていた。
「俺と新一を中心に、世界が廻ればいいのに。」
