■05.とらえてみせよう
「Ladys and gentlemen!!
It's show time.」
一際高い場所から、集まった観客にショーの幕開けの合図を盛大に送る白き罪人。
そこには彼の独壇場が展開され、観客が息を着く隙さえ与えず、彼は自分のたてたシナリオを熟していく。
そして今日もまた、彼のフィールドでは幕引きの合図として、その場から掻き消えるかのように白い姿が闇と交ざった。
「今日もハズレ。」
人気のないビルの屋上で、フェンスの上に直立して立っている男が呟いた。
「そうか。
なら返しやがれ。」
屋上への入り口の扉に凭れ掛かり、満月をバックに立っている男に意識を自分に向けさせようとする男が、乱暴な言葉を吐いた。
「これはこれは、名探偵。
最近また大活躍だそうじゃないですか。」
「犯罪犯すヤローが後を絶たないンでな。
お前もそろそろ捕まっとけよ、俺に。」
軽口を叩くかのような言葉の応酬なのに、二人の纏う雰囲気は至極ピリピリとした緊張感が強い。
一瞬でも気を抜く事の出来ない相手が直ぐそこにいる。
そんな思いを、二人は持っていた。
「はっ。
テメーなんかに俺が捕まるかよ。」
砕けた口調には、自信も怒気も緊張も、何も感じさせない。
それが絶対の事実だと知っているかのように、フェンスに立つ男は吐き捨てた。
それと当時に、白い大きな翼を広げる。
「捕らえてみせるさ、必ずな。」
不敵に笑って言い放ち、白い鳥目掛けて走り出す。
今夜の勝負、捕まったのは、どっち...?
□-◇あとがき◇-□
取り敢えず書いてみました感満載の短篇です。
てか、小話?
一応お題には沿っているンじゃないかと自己満足なのですが。
かなり微妙だったりι
2006.10.14