■01.たよりない笑顔
「犯人は、あなたです。」

告げた言葉。
向けられた憎悪。
投げ付けられた皮肉。

全てが、重い。




犯人逮捕を済ませた目暮が、いつもの様に家へ帰ると言った新一を高木に送らせる。
軽いエンジン音をたてて走り出した車は、同じ様に新一の家の前で音をたてて止められた。
軽い挨拶を交わし、また車は動き出す。
それと同時に身体の向きを変え、門をくぐり抜け玄関に向かった。
家の電気は、全て消されている。
当たり前だ。
この家には、新一しか住んでいないのだから。
時々偶に、ホントに稀だけど。
気まぐれな“ネコ”が寄り付くくらいで。
だから、当然と言えば、当然なこと。
重い気分のまま、鞄から家の鍵を取り出し開けた。

「...ただいま。」

不意に口を付いた言葉。
返事なんか、返るはずも無いのに。
そう思っていたら、

「オカエリ。」

玄関で、いるとは思っていなかった気まぐれな“ネコ”が仁王立ちで待ち構えていた。
しっかりと、挨拶まで返されてしまい、新一に苦笑が漏れる。

「情けねぇカオ。
 またなんか現場であったのかよ?」
「.........」
「何があったのかなんて知りたくもねぇが、お前が自分で決めた道だろ?
 ならそれくらいで迷うな。前を向け。
 胸張って我が道進んでろ。」
「...お前らしい考え方だな。
 俺は大丈夫だ。
 今はダメでも、明日になればまた自分で起き上がるさ。」

気まぐれな“ネコ”らしい考え方で慰めてくれたようだ。と、思考が巡り、また苦笑が漏れた。

「...たよりねぇカオ。」







□-◇あとがき◇-□

「工藤の日」だから、という理由で始めたお題の1題目。
たよりない笑顔。なら事件解決後の新一さんかなと思って書き綴ったのですが...
傍若無人な俺様快斗さんにはどうにも情けない顔に見えたらしい。
ていうか、そんな設定で書くからお題から外れるンだよ。
(けど気まぐれなネコっぽい快斗さん書いてみたかったの。)
...コレ、快新なんだろうか?
私にはどうみても新快にしか見えない(快斗さんをネコ呼ばわりしている所が特に)のデスガ...ι(´ω`;
まぁ、精神的に快新っぽいから良いですよね!?
2006.09.10
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