1 雨の温度
サァサァ、と静かな音を立てて落ちる雫。
見上げる空は、亡くなった命の為に、泣いていた。
「黒崎隊長、おはようございます。」
「隊長、おはようございます。」
「おはようございます、隊長。」
「あぁ、おはよう。」
トタトタと、板張りの床を軽快に歩いていると、口々にかけられる言葉。
どれも一様に笑顔で、そして信頼に満ちた声音で紡がれていた。
それに軽く挨拶を返し、廊下を進む。
「お。
お前、この前の怪我はもう良いのか?」
「は、はい!!
もう任務に復帰出来る程に回復しています!!」
「そっか。
そりゃ良かったな。」
「あ、ありがとうございます、黒崎隊長。」
黒崎隊長、と呼ばれる男は進む足はそのままに、片手でヒラヒラと手を降ると、そのまま隊舎に入って行った。
その隊舎は、他の隊の隊舎よりも幾分小さめで、そして真新しい。
それもそのはず。
この隊舎は、護廷十三隊が創立して幾星霜も時を経た最近---と言っても、もう数世紀は経過している---設立した零番隊の物だ。
そして、その零番隊の隊長が、先程建物へ入って行った黒崎一護に外ならない。
零番隊は本当なら表舞台に姿を出さず、秘密裏に行動する部隊だったのだが、数百年前の度重なる虚の襲来により、出てこざるを得なかったのだ。
それにより、零番隊の存在が知られ、隠すに隠すことの出来ない状態になったので、正式な護廷十三隊に加わることとなった。
だから、急遽作られた隊舎は他の隊舎よりも小さく、そして若干真新しい。
「む。一護。」
「任務だ、チャド。
井上と石田は?」
隊舎に入る前の、柔らかな空気など、なかったかのように。
一護の取り巻く空気が鋭いものに変わった。
対する茶渡も、力強く前を歩く一護についていく。
零番隊で、一護が隊長なら、茶渡は副隊長の位置にいる。
隊員は、一護、茶渡、先に名前の上がった井上に石田。
後は末席の方に数人。
そういった、小規模な隊だった。
もとより、零番隊は戦闘の際、どの隊よりも早く敵を討ち取る、言わば、特攻を仕掛ける隊なのだ。
それ故、必要最低限の人数しかいらない。
そして何より、この隊が戦闘に赴く時、必ずと言っていいほど、隊長と副隊長の両名が揃って出撃するので、少数精鋭でも充分事足りるというのが理由の多くを占めている。
「井上も石田も、回って来た書類に目を通してる。」
「あー...確かあれ、結構溜まってたな...」
自分の業務机の上に積み重ねられていた書類の塔を思いだし、僅かに苦笑が漏れた。
それは、隊長である一護の仕事なのだが、ここ最近の出撃の多さに少々怠けていて、それを見兼ねたしっかり者の石田が手を出し、それに付き合う形で井上も手伝い始めたので、今の二人の仕事はデスクワークが主だと言える。
「まぁ、今日の相手はそんなに数はいないらしいし。
俺ら二人で行くか。」
一護の言う敵のおおよその数には少々語弊がある。
間違っているのが一護の言葉なのか、認識なのかはこの際おいておくとして、こういう時の敵の数は大体が二桁をゆうに越し、あまつさえ、十の位が4の倍数以上だったりするのが常である。
それを知らない新人は、零番隊での初陣で、地獄を見るのが殆どだ。
その後直ぐに移動願を出す隊員もいるので、こういった点も、零番隊が少数な理由だったりする。
「一護がそれでいいなら。」
「良し。
んじゃ、行くか。」
黒い死覇装に白い隊長の証である番号入りの羽織りを着て、背中に鍔も鞘もない大きな太刀を背負う。
そうして今日もまた、一護は茶渡と共に現世へと降りていく。
雨降りは嫌いだが、虚を倒した後の暖かい雨は、
嫌いじゃない。
□-◇あとがき◇-□
なんか、途中で諦めた感バリバリの小説ですが...まぁ、コレが織山の実力さとでも想ってくださいι
だって!!
BLEACH小説書くのなんて初めてなんですよ!!!
ちょっとやそっとじゃへこたれない強靭な精神力と集中力が欲しいです(泣)