「ヅラー!!!
俺のシュートを受けてみろーー!!!」
「ヅラじゃねぇーーーー!!!!」
ものすっごい笑顔全開でボールを追いかけている仁。
相手チームのゴールキーパーを務める中丸に向かって大声で叫んだと思ったらすぐに繰り出されたシュートは、サイドのバーに当たるも角度が良かったのかゴールに入った。
「よっしゃ!!!」
「絶好調だな、赤西。」
「おうよ!!
俺今テンション上がりまくりだもん。」
「“もん”とか言うなー。
お前が言っても可愛くねぇー。」
馬鹿笑いをしながら交わされる会話を、校舎内から見守る影が2つ。
仁のテンションを上げた張本人と、今サッカーの授業をしているクラスの担任の二人だ。
二人とも丁度授業が無かったのか、和也の自室と化している社会化準備室にて校庭を見ながら談笑していた。
「元気だねー、男子高校生は。」
「その発言、年寄りくさいよ、上田。」
「そう?
でも、赤西があそこまでテンション高いのって、なんでだろうね?亀ちゃん。」
「!!」
簡易コーヒーメーカーで作られたコーヒーを啜りながらの会話。
上田の発言に苦笑していた和也だったが、いきなりニヤリと笑いながら言われた言葉に口に含んだコーヒーを思わず噴出しそうになった。
もしこれで噴出したとしても、自分を責めないでくれ。と思いつつも、何とか噴出すことは堪えれたようだ。
その代わり、盛大に咽たのだが。
「な、何!!いきなり!!!」
「ん?
だって、赤西のテンションが高い理由って、1つしか思いつかなくて。
で?実際のところ、どうなの?」
わたわたと慌てて、若干頬が紅く染まっている和也に詰め寄る上田は終始笑顔だ。
呼吸を整えながら視線を彷徨わす和也を見てニマニマ笑っている。
頗る意地の悪い笑みをしてみせる上田は、早くゲロっちまえ。と言わんばかりに視線を和也に向けていた。
「どう、って...
ただ、さっきの授業の終わりの時に目が合っただけだよ。」
「ふーん...それだけ?」
「何考えてたのか知らないけどそれだけ!!!!」
和也と上田は、実は長い付き合いでもないのだが、短い付き合いとも言えない微妙な付き合い方をしていたので、和也は上田の思考回路を把握している。
取り敢えず、言わなければあの手この手と駆使して、尚更恥ずかしい目に合わされることを知っているので素直に言葉を紡いだ。
けれど上田は、それ以上のことを考えていたのか、納得していないような視線を和也に向けた。
あまりのことに声を荒げて反論するも、当の上田はケタケタ笑っている。
多分、視線が合っただけでテンションが向上する仁に対して笑いが止まらないのだろう。
そして。
「だから亀ちゃんも、朝より機嫌良いんだ。」
解りやすい和也にも。
結局は似た者同士。ということなのだろう。
それを思い、笑い続ける上田の目尻には若干涙まで浮き始めていた。
「笑いすぎだし、上田。」
「ごめん、ごめん。
いや~、中丸の言い訳以外でこんなに笑ったの久しぶり。」
「あ~...今日中丸と仁遅刻してきたよね。」
「そうそう。
あ、亀ちゃん赤西の遅刻の理由、聞いた?」
「......普通に寝坊とか?
ていうか、実際寝坊だったし。」
溜まった涙を軽く拭って、姿勢を正した上田はやっぱり笑顔で和也に言葉を掛ける。
上田の質問に、小首を傾げて考え込み、無難な答えを口にした和也は、次の瞬間、音が鳴りそうなほど顔を真っ赤に染め上げた。
「あいつ、『洗濯物干してて遅刻しましたー』だって。
何?昨日洗濯物増やすようなこと、したの?」
「~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!
ち、ちがっ!!!
昨日は二人してぷよぷよやってて朝寝坊しただけ!!!!」
「な~んだ、つまんないのー。」
ニマニマ笑ながら和也の様子を見守る上田。
実のところ、いつもはピシッとしている和也のYシャツが今日は襟元が少しよれているのが少しばかり気になっていたのだ。
それも昨夜仁が頑張りすぎて引き起こしたことなのかと邪推していた上田だったが、全力で否定する和也に嘘はないのだろう。と悟った。
それでも笑顔を向けていたら、和也はどう取ったのか、嘘じゃないよ?ホントだよ!!と繰り返している。
「(必死に弁解して、可愛いなぁ~。赤西には勿体無いよ。)」
上田はまだ少し顔が紅いままの和也とグラウンドを駆け回る仁を視界に入れ、優雅にこの一時を楽しんでいた。
□-◇あとがき◇-□
取り敢えず、亀梨サン側も書くべきかな。と思い。
上田サンとは仲良しこよしなのです。付き合いは長くないンですけどね、設定上。
あ、因みに。
中丸サンも聖サンも上田サンも、まだ出てきてないけど(てか出てくるの?)田口サンも赤西サンと亀梨サンの関係&同棲は知ってます。