「遅刻遅刻遅刻~~~~!!!!」
猛烈なスピードで走行する自転車は、ブレーキをかけずに坂を下って行った。
自転車が向かう学校まで、あと1km弱。
始業の鐘が鳴り響くまで、あと2分。
どう考えても遅刻だろう。
「マジでヤバイって!!
たっちゃんに怒られる~~~~!!!!」
泣きが入った言葉を叫びながら頑張って自転車を漕ぐ高校生――中丸雄一は、坂を下り切ったところで悠々と歩くクラスメートの存在に気が付いた。
徒歩で通学する彼は、もうどう頑張っても間に合わないのを悟ってか一人のんびりと歩いている。
「赤西ーーーーー!!!!!!!!
何のんびり歩いてんだよ!!!!
遅刻するぞ!!!!」
坂を下りながら、怒声を響かせ、足を止めた仁の前に自転車を急停車させた。
きょとん、とした目で中丸を見る仁。
彼にとって、遅刻しようが1限目に間に合わなかろうが、関係ないのだろう。
健全な学生としては間違った認識ではあることは間違いないのだが。
「ほら、後ろ乗れ!!!
早く学校行くぞ!!!」
「え、俺別に遅刻しても...」
「お前は遅刻しても構わないだろけど、俺がたっちゃんに八つ当たりされるんだよ!!!
だから早く、後ろ乗れ!!!」
有無を言わせぬ気迫で仁を押し切り、後ろへ乗せる中丸は、かなり切羽詰っているようだ。
中丸の乗る自転車が、彼愛用の学校のステッカーが貼ってあるものではなく、荷台のあるママチャリだという点で見ても、相当慌てていたのが手に取るようにわかる。
まぁ、いっか。と楽天的に考え、仁はママチャリの荷台に跨り、中丸の腰に手を回して腹の前で手を組んだ。
「ぅを!?」
「...なんだよ、変な声だして...」
「お前が腰に手を回すからだろ!?」
「だって、俺、眠い...から、学校着いたら、起して......」
後ろを振り返って苦情を申し付けた中丸を無視して、仁は中丸の肩に額を乗せた。
既に寝る体制は整えられており、紡がれる言葉も、眠いせいか、途切れ途切れで半分夢の中を漂っている。
「だぁ~~~~、もう!!!
分かったから、振り落とされるなよ!?」
「...おう。」
呟かれるようにして返された言葉に、中丸はペダルを漕ぎ始める。
仁が後ろに乗っているせいで、最初の一漕ぎがかなり辛いが、遅刻しまいと懸命に足を動かした。
この後、校門直前まで辿り着いた時、鳴り響いた鐘に慌てた中丸により、目を覚ました仁がバランスを崩して自転車を傾けかけ、一人飛び降りた仁は盛大にずっこけた中丸に文句を言われることとなる。
そして、その光景をたまたま職員室の窓から見ていた亀梨から失笑を買ったのは、二人の知る由の無いところ。
□-◇あとがき◇-□
これでもじんかめと言い張りたい...
面倒見の良い中丸サンを出したかったんです!!!
んでもって、寝汚い赤西サンを書きたかったんです!!!
次は...中丸サンが「たっちゃん、たっちゃん」騒いでるから上田サンでも出しましょうかね?