チュンチュン...
電線に止まった雀の囀りが鼓膜を震わせ、脳に音を認識させていた。
寝ぼけ眼で、仁は枕元に置いてある携帯へと手を伸ばす。
数回空振りをしながらも、何とか硬質のソレを掴むことができた。
「ん~...今、何時......?」
目を擦りながら、仁はもぞもぞとシーツの海から顔を出して携帯を開いた。
視覚に訴えている数字は、7時半。
声に出して読み上げ、気の無い風にまた枕に顔を埋めた。
「7時半...」
「......は?
7時半!?
ちょっ...!!
仁!!起きろ!!」
「~~~~~~~~~~~!!!!!!」
「仁!!!
いい加減起きて支度しろ!!!
遅刻するぞ!」
仁の読み上げた時刻を聞いて、ガバリ、と上体を起こした和也は、隣に寝ている仁をベッドから蹴り落とした。
鈍い音を立てておデコを床に強かにぶつけた仁は、あまりに不意打ちな痛みに声も上げれず、痛めたところを押さえながら蹲っている。
それをどう勘違いしたのか、和也は怒声を響かせながらベッドから降り、部屋を抜け出した。
バシャバシャと、水を使う音がしたと思ったら、今度は金属のぶつかり合う音がして、和也は部屋の外から寝室にいる仁を急かす。
「いってぇ...」
やっと痛みが引いて来たのか、上半身裸のまま寝室から出てきた仁のおデコは、少し赤くなっていた。
顔を洗うため洗面所へと向かう道すがら、キッチンで朝食の準備をする和也がわたわたと忙しなく動いているのが視界に入る。
欠伸を一つ、かみ殺して、仁は身支度を始めた。
「あぁ、もう!!
調子乗って仁と対戦なんてするんじゃなかった!!!」
嘆いても後の祭り。
昨夜は遅くまで仁とぷよぷよの対戦をしていた和也。
なかなか勝負がつかず白熱する試合は、深夜3時を過ぎる頃に、眠気に負けた仁の敗北で終わったのだが。
それにしても、勝負がつくのが遅すぎた。
コントローラーを持ちながら寝てしまった仁に、勝った余韻に浸る間もなく和也もゲームを片付けて寝てしまったのだ。
日付が変わったらもう仁とは対戦しない!!!と強く心に決めるも、時間は刻一刻と過ぎていく。
「仁!!!
朝食置いとくから早く支度して食べろよ!!!」
「和也はー?」
「俺はもう出ないと職員会議に間に合わないんだよ!!!
行ってくる!!!」
「んー。
行ってらっしゃい。」
出来上がった目玉焼きをたった今焼けたパンの上に乗せ、和也はカバンとスーツを鷲掴み玄関まで移動した。
因みに、仁の分の目玉焼きとパンは別々に皿に乗せられている。
洗面所から寝癖を直しながら和也を見送りに出てきた仁は、軽く和也の頬にキスを贈った。
別段嫌がる風でもなく、仁からのキスを受け止めた和也は、お返しとばかりに仁の頬にキスをする。
ここだけ見れば、新婚さんな情景なのだが、如何せん、時間は待ってくれない。
にっこり笑って見送った仁に、玄関の扉を開けて和也は出勤していった。
「さぁ~て...俺も早く朝ごはん食べて学校行かないと...」
和也が出て行って数分後。
髪のセットを完了し、制服を着込んだ仁は、忙しい時間の中、和也が作ってくれた朝食を食べ始めた。
その時の時刻は8時10分。
学校の始業の鐘が鳴るのは、8時25分だったりする。
□-◇あとがき◇-□
じんかめで始めてみたくなった「生徒×教師」です。
お題使用第一号ですが、また気が向いたらどんどんお題を使っていくでしょう。
なんかね、話を作りやすいんですよ、お題があると。
題目に沿っているかどうかは置いておいてね(苦笑)