■もしも「宅配ピザのバイト店員×客」だったら  2007/03/09
「こんばんわー。
 毎度ありがとうございます、『Mr.ピッツア』でーす。
 ピザお届けに参りましたー。」

週に3回。
俺のバイトのシフトが入っている日に、決まって5時に宅配ピザの注文が入る。
そして、決まって俺がその注文を承って届けるんだ。

「えーっと...テリヤキチキンのSサイズがお一つで...1260円になります。
 あ、商品先に失礼しまーす。」
「ん...」

にこやかに。
営業スマイルを見せながら、ピザを注文した客――小田切竜に持ってきたピザを差し出す。
竜は、若干顔を俯かせながらピザを受け取り、綺麗にしてある下駄箱の上に渡されたピザを置いて、俺に1500円渡した。

「1500円お預かりいたします。
 んと...?
 おつりが...340円?」
「240円...」
「あ、そっか。
 240円のおつりになります。
 領収書は箱の側面に貼られているので。」

お金の入ったウエストポーチから鷲づかみで小銭を出しておつりを整える。
差し出された竜の右手に、お金が零れ落ちないように左手を下に添えて掌におつりを落とした。
触れた瞬間、ピクリと動いたその右手は、次の瞬間にはお金を強く握り締めていて。
俯いた顔からは表情なんて全然見えなかったけど、サラサラな蜂蜜色の髪の毛の間に見え隠れしている耳は、真っ赤に色付いていた。

「あ、そうだ。
 小田切さん、これあげます。」
「...え?」

渡したのは、1枚の普通のキシリトールガム。
ポケットに入れてたから、微妙に曲がっちゃってはいたけど。
包装紙もしっかり巻かれているから、食べる分には平気なはず。
目的は、そっちじゃないけど。

「いつも買うガムが売り切れてて、仕方が無いのでこっち買ったンだけど、予想以上に辛かったから食べれなくて。
 もしよければ、貰ってください。」
「.........」

何の変哲の無いガムなのだけれど、竜は俺の目的に気付いたようだ。
銀紙を巻かれ、その上から緑色の紙を巻かれているガム。
その銀紙と緑色の紙の間に僅かに見える、普通なら入っていない白い紙。

「ご利用をお待ちしています。
 でわ。」

告げた言葉は、どちらの意味として、竜に取られたのだろう。
答えが出るのは、多分、もう少し。







□-◇あとがき◇-□

ふと、昔姉とよくピザを頼んでいた時のことを思い出したので書きなぐりました。
その当時、結構な頻度で4回ほどピザを頼んだことがあったのですよ。
んで、宅配のお兄さんの相手をするのが決まって私で、一番最初に来たお兄さんがとてもカッコ良かった記憶があります(笑)
あ~...だから2度3度とそのお兄さん待ちで頼んでたんだっけ?
毎回違うお兄さんが届けに来たけどね(苦笑)

んと。
隼人サンが渡したガムの包装紙の隙間に入っている紙には、隼人サンのケー番とメルアドが書かれてたりします。っていうことなの。
なんとなく。
デリバリーから始まる恋。みたいのを書きたかっただけの話。
竜ちゃん、全然話してないけどねι

私のネーミングセンスの悪さは今に始まったことじゃないので、気にしないでくれると嬉しいです(><)
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